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特務の伝統

三上智恵氏の『沖縄スパイ戦史』を読んだ。

スパイでなくゲリラじゃないか、と冒頭の護郷隊のところでは感じた。護郷隊というのは今の高校生が徴用されてゲリラ活動をした沖縄の青年たちだ。その指揮に当たったのがスパイ養成校である陸軍中野学校なので「スパイ」を使ったのか、と考えた。

しかし、後半になると、スパイと疑われて殺された沖縄県民もでてきて、「スパイ」というテーマは当を得ている、と納得した。スパイ云々でなく、長年の取材による説得力に圧倒された。

これは沖縄や日本だけでなく、普遍的なテーマだ。

南北戦争を描いたアンブローズ・ビアスの『対訳ビアス』を高校で読まされたが、あの感覚だ。善悪といった道徳が殺しあうなかで崩壊していくのは自然のなりゆきだ。アメリカ人も、日本人もない。クリーンな戦争ーー国際法学者はそれを信じているかもしれないがーーは幻想にすぎない。

年賀状を書かねば

人付き合いをほぼしない私にも年賀状が来る。美風だと思うので、私は続けている。

世間では、AIに書かせたものが今年は流行るのだろう。私にとっては一昨年に通った道だ。

心に余裕のある年には筆ペンで絵を描いた。2021年用のCOVID-19パンデミック下のものなので、むしろ静かな心をとり戻すためだったかもしれない。

30歳になったばかりで出した年賀状は実に初々しい。

かなり自由な感じもするが、ここまではまだよい。次のものなど、若気の至り、で済むものとは思えない。勤務先の校舎のバックに本を積んだ構図だ。

「韜晦して、圭角を露わすことなかれ」がこのブログのテーマだが、まったくできていない(笑)

今年は余裕がなく、郵便局で年賀状を買ってきました。皆様、よいお年をお迎えください。

べらぼうとスターウォーズ

私はテレビは「ながら見」で、だいたい聴いているだけ。だから、筋も理解していない。

土曜日の再放送でやっとわかった。大河ドラマのべらぼうだが、フィクションながら魅力的なプロットだったということが。

能役者と将軍の父が入れ替わりというフィクションが使われ、能役者が写楽の正体という真実(たぶん)が使われない。とってつけたようなプロットだ、とはじめは感じていた。

鍵はフィクションと真実をつなぐ柴野栗山という儒学者にあったわけだ。能役者が蜂須賀藩士で、栗山も元蜂須賀藩士。そして、柴野は入れ替わりの絵を描いた松平定信のご意見番。これらは実話らしい。

壮大な仕掛けで、嘘でもエンタメなら許せるが……リアリティがなかった。キャスティングはよかったのに。学者キャラといえば、大河では徳川家康の師の太原雪斎。役者でいえば財津一郎さんや伊武雅刀さん。今回の方も適役の性格俳優で、期待していた。

柴野栗山をセリフが多い準主役にすればよかったのだ。そして、蜂須賀の殿様もそうするべきだった。視聴者を両人に注目させれば、謎解きに没入できて、理解も容易だったろう。主人公、蔦屋重三郎、の敵である定信とともに、もっと悪く描いてよかったかもしれない。

スターウォーズを観ていると、ハリウッドは脚本にもっとシビアで、打ち切りを含めたリスクをとっているとわかる。半世紀、いや200年続いたドル箱コンテンツを作る力量があったのは、NHKではなく歌麿・写楽を生んだ蔦重だったとNHKみずから証明したというオチだ。

選挙があるゼンチン

英語情報を理解する授業の一環として、国際連合の文書を探している。海洋資源の総会決議が目に留まった。

うなぎだな、とピンときた。ワシントン条約の会議でその貿易の規制について決が採られた。ヨーロッパ諸国は国連総会でもそれを取りあげ、今年の目玉ニュースにするつもりだったのだろう。

うなぎを愛する私は牛丼屋でうなぎを出すことに大反対だ。炭で焼け。うなぎに失礼だ。否決されたのは誠に残念だ。

別のテーマを探さなければならない。

2026年に国連の事務総長選挙がある。授業で扱うには手ごろなテーマだ。すでに動きがあるのだが、それはまた別の機会に。

次はウイスキー

コーエーテクモがセールをしていたので三國志14を買ってしまった。

このシリーズは久しぶりだ。キャラゲーと割りきって距離をとってきたからだ。しかし、歳をとって、パラドックス社のゲームは作業がおっくうに感じるようになった。作業ゲーだったのだ。

「諸葛亮曰はく」の成功率100%は出るだろうか。楽しみだ。

自分へのクリスマスプレゼントーー家族には内緒だ。こういうのをチョイ悪親父というのだろうか。

デススターは冗談じゃない

スターウォーズ・ネタを続ける。

デススターとは惑星を粉々にできる兵器であり、それ自体、宇宙を航行する宇宙船でもある。それにはビームが搭載されており、星にビームを撃ちこむと、撃たれた星は粉々になる。

似たような兵器システムは現在でも可能だ。人工衛星に核弾頭を配備すればよい。ICBMの何分の一かの時間で敵国を破壊することができる。

それを阻んでいるのは紙切れでしかない。そう、宇宙条約だ。どこかの国の指導者が宇宙条約に従わないと宣言し、そうした衛星を配備しはじめるーー指導者たちの顔を思いだすと、やりかねない、と感じる。

ライバル国は、有無を言わさず軍事衛星を攻撃する。スターウォーズの勃発だ。

国家指導者はバカではないので、こんなあからさまなことはしない。もっと巧妙なことを考える。月の裏の秘密基地に核ミサイルを配備するのだ。

それを察知したライバル国はやはり直ちに攻撃にかかる。スターウォーズの勃発だ。

現実はゲームではない、と信じるしかない。制覇的合理性が歴史の指導法則ならば、人類はチンギスハンによって滅ぼされている。飽食的合理性、生殖的合理性、規律的合理性、好奇心的合理性…… いろいろな合理性があって、制覇的合理性とバランスをとっている。

しかし、ゲームと考えている指導者はいるのでないか?

よーく考えよう

選挙をしない悪の帝国が新兵器を繰りだし、人々を脅して支配しようとしている。新兵器には莫大な鉱物とエネルギーが必要であり、帝国は見境なくそれらを徴発するーースターウォーズの筋書きだ。レーガン大統領はそれと重ねて「フォースとともにあれ」と言い、SDIという名の軍拡と宇宙開発を宣言した。

新兵器、宇宙開発、核融合、資源争奪ーー昨今、世界で流行するこれらとスターウォーズを結びつけると、なかなか興味深いシナリオだと気づく。

しかし、あれから十年後、現実世界の1990年代は地球環境保護の話題でもちきりだった。流行とはあてにならないものだ。

フェイクか、インテリジェンスか

高市答弁に、中国軍機レーダー照射と日中関係が悪化している。本当に台湾進攻を中国が企てているか?、によってどう対応すべきかは変わる。

もし、台湾進攻を企てているという情報がフェイクニュースであるならば、日本は防衛費増額をとりやめ、高市総理は神経質だった、と発言を撤回すべきだ。

もし、台湾進攻が例えば米国が入手した信頼できる極秘情報によるのならば、G7間で情報の信頼性を検証して、共同声明を発するべきだ。

中国とロシアが同盟を結んで第三次世界大戦に訴えれば、結果はどうなるかわからない。いつもの「毅然と対応」は報復合戦によるエスカレーションを招くだけだ。状況は1980年代初めに似ている。

国家資本主義

フジテレビの鹿内信隆と日清紡の桜田武の対談を読んだ。

日経連という経営者団体の立場から書かれている。労働者と使用者にはそれぞれ言い分があろうから、私は不十分な情報で他人の喧嘩に首を突っ込むつもりはない。

この本の真骨頂は、軍人が経済を支配するとどうなるか、が書いてあることだ。軍事的合理性が優先され、それにたかる者たちが現れる。類書がないから貴重な証言だ。ナチスでいえばゲーリングが語ったようなものだw

昨今の防衛費増額でGDP比が上がるので、ちょっとだけ軍事経済の存在感が大きくなることになる。

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