「投稿者: 木下郁夫」の記事一覧

ロンドン海軍会議と統帥権干犯問題
(表紙の画像はAIによって作成された) 軍艦を増やしたい海軍、軍事費を抑えようとする大蔵省出身者、ナショナリズムを導いて個人的プライドを満たそうとする右翼と政治家…… 今から見ると、1930年のロンドン軍縮会議は歴史の分かれ目だった。浜口総理暗殺、満洲事変、金輸出再禁止、そして五・一五事件…
関東大震災と外交
(表紙の画像はAIによって作成された) 災害は忘れたころにやってくる、という。永久に忘れたくてもそうはさせてくれない。せっかくの経験だから、それを次に活かすことを考えよう。 教科書での関連する記述 教科書 地震と火災によって東京市・横浜市の大部分が廃墟と化したほか、死者・行方不明者は10…
ヒュー・L・キーンリーサイドとは?
カナダ最初の日本駐在外交官。もともと歴史学者だったが、カナダがイギリスから独立すると外務省に採用された。ノーベル平和賞をとった外相・首相のレスター・ピアソンの弟分のような存在。 しかし、ピアソンのように大臣になることはなく、外交官としては駐メキシコ大使と国連幹部で終わっている。 …
日本はオットセイ保護の先進国だった?
(表紙の画像はAIによって作成された) ワシントン条約というと、今でこそ絶滅のおそれのある野生動植物の取引に関する規制のことだ。それより半世紀以上もまえに、絶滅のおそれがあった動物を守る条約があったのをご存じだろうか? それが1911年のオットセイ保護条約(膃肭獣保護条約)だ。戦前の太平洋は…
第2次日韓協約のご都合主義
(表紙の画像はAIによって作成された) 司馬遼太郎の『竜馬がゆく』では、吉田松陰が伊藤博文を「周旋の才あり」と評したそうだ。元ネタは何かな、と思ったが、そういう趣旨を松陰が書いた手紙があるそうだ(伊藤之雄、『伊藤博文』)。後世から見れば、伊藤のキャラクターを決定づけるほど的を射た評価だ…
高陞号の撃沈はギャンブルだった
(表紙の画像はAIによって作成された) 東郷平八郎は神として崇められる対象だ。日本海海戦の功績は圧倒的だった。日本は大国になった。 すこし前の日清戦争でも、東郷平八郎は正しい判断をしたとされる。本当にそう言ってよいのか? 戦争はギャンブルだ。勝てば官軍、負ければ賊軍。勝敗は確率の掛け算…
琉球の境界は人民の幸福に基づいて引かれようとしたか?
(表紙の画像はAIによって作成された) 尖閣諸島は日本が実効支配をしているが、中国と台湾は領有権を主張している。1895年に日本が領有を宣言してから、日本人はそれが沖縄県に属すると信じているが、Wikepediaには、中国と台湾は台湾省だと言っている、と書いてある。 これから述べる分島交渉の時代に…
マリアルス号事件には黒幕がいた?
(表紙の画像はAIによって作成された) 人身売買は人類の重いテーマなのにあまり教えられない。現在の日本においてたくさんの人身売買が起きているのだから、文部科学省はしっかりと教えるべきだ。 https://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/honsho/shiryo/archives/DM0001/0001/0004/0064/index.djvu https:…
いろいろ意味がある生麦事件
(表紙の画像はAIによって作成された) 早口言葉じゃなくて歴史の話。日本外交史をここから始めることには意味がある。ペリー来航は前近代の事件だったが、近代への歩みは生麦事件から急加速した。 教科書での関係する記述 教科書 1862(文久2)年には、神奈川宿に近い生麦で、江戸から帰る途中の島津久光…
対外政策
単なる印象としての対外政策論 対外政策論はそれだけで一つの科目になる。意義も、内容もある。アメリカはこうだ、中国はそうだ、ロシアはああだ、日本はどうだ、と素人がやる。多くは的を射ている。 https://amzn.asia/d/0bhZiNbn プロがそれをやったらどうなるか?、というのがハロルド・ニコルソン…