即応支援部隊(RSF)、と聞けば、国連や米軍の治安部隊か、と思ってしまう。それがスーダンで国軍と戦い、一時は首都ハルツームまで占領した。正体は反乱勢力だったのだ。現況はというと、ハルツームは失ったものの、トランプ大統領が呼びかけた停戦を受けいれ、ダルフールなどスーダン西部を確保している。

今世紀はじめ、凄惨な紛争がダルフールで起き、アフリカ系住民が虐殺された、と報道された。国軍とともに、ジャンジャウィードという民兵が虐殺に加わった。それこそ、即応支援部隊の前身だった。久々のメディア登場だが、これは何を意味するのか?

2019年にスーダンの独裁者オマル・アル・バシルが失脚した。即応支援部隊はその子分だった。現在の内戦は旧政権派が新政権を倒そうとしているのだろう。

即応支援部隊は暴れまわっているが、国際環境はけっして明るくない。友好的だったリビアのカダフィ政権も倒れ、同国は分裂している。ロシアはウクライナで苦戦し、アフリカどころでない。即応支援部隊は旗を見れば世俗主義者とわかるが、イスラム主義勢力は虎視眈々と状況を眺めているはずだ。

四半世紀も教員をしていると、知識がどんどん古くなっていく。「少年老い易く学成り難し」という。本来は、怠けていると一人前にならないぞ、という叱咤だが、時間の流れが速いので学問体系が完成しないうちに世界が変わってしまう、という諦観にも聞こえる。シジフォスの岩のように社会科学者は大成しない定めなのかもしれない。