『民間防衛』の話題を続ける。日本で身近な民間防衛といえばJアラートだ。
はっきり言って、いままで鳴り響いてきたJアラートのすべてが不要だった。北朝鮮が発射した飛翔体は爆弾を積んでいない。残骸が人や船に当たる確率は皆無でないが、それをいうならば世界で打ち上げられる飛翔体のすべてにJアラートを発報しなければならない。北朝鮮にたいしてだけJアラートを鳴らすのは、無根拠な恐怖心を増すだけだ。
Jアラートそのものが不要なのか? 国民自身、必要性を信じていない。防災訓練で地震だけでなく核攻撃からの避難をどれだけ全国の学校は実施しているだろうか? 冷戦時代には、第三次世界大戦で全員死ぬのだ、という諦めがあった。その知識が残っているのだろう。皮が溶け、目玉が飛び出て、白血病で死ぬ、と。
それにもかかわらず、Jアラートは避難しろと言う。内閣官房のウェブサイトを確認する。
弾道ミサイル飛来時の行動に関する普及啓発資料 – 内閣官房 国民保護ポータルサイト
広島市や長崎市のウェブサイトなど、情報源は核兵器の被害は熱、爆風、火災、そして放射線によると述べる。
熱について、スイス政府の『民間防衛』は数百万度の火球から光速の熱線が発せられ、人は失明するとする。しかし、避難所や溝で熱線を遮れば守られる、とする。Jアラートも次のように書く。
日本政府
近くの建物の中または地下へ
日本政府
物陰に身を隠す
または地面に伏せ頭部を守る
確かに、爆発まえに物陰に入れば失明は防ぐことができ、屋内に入れば体の水分は蒸発しないですむかもしれない。
では、地下鉄やビルに入れば大丈夫か? そう言えないのは、壊れた原爆ドームのさまを見ればわかるだろう。爆風はビルも崩すのだ。地下鉄もあてにならない。モスクワや北京の地下鉄は核シェルターの機能を有すると聞いたことがあるが、日本の地下鉄にそれはない。
日本政府
窓から離れる
または窓がない部屋へ
爆風はコンクリートで防げても、窓ガラスが割れて人体を突き刺し、そこから爆風が吹きこんで何から何まで突き飛ばす。さらに吹き返しが起こり、しばらくのあいだ続く。
爆弾の威力によっても変わるが、水爆ならば爆心地から十kmから数十kmは瓦礫の山になるだろう。爆風は避けられても、火災がダメ押しとなり、生存確率はほとんどない。
都市など攻撃目標の周囲にいる人はJアラートを待たず、核戦争が起こりそうならば疎開するべきだ。そう覚悟しても安心できないのは、奇襲の誘惑が非常に強いのが核戦争だから。30分では疎開はできない。
攻撃目標付近の人々にJアラートが有効であるためには、地下深くに核シェルターを掘ることだ。霞が関の地下にはすでに政府要人全員を収容できる核シェルターが存在する。実はJアラートは完璧なシステムで、日本の国家中枢はサバイブするのだ。
ーーこのオチはスタンリー・キューブリック監督の映画『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』から借りた。作り話なのでくれぐれも信じないように。