今週、エスニック紛争の授業でカール・ドイチュの理論を紹介する。国民統合のためには言語コミュニケーションが不可欠だ、という趣旨だ。
日本語を使う共同体は日本にしか存在しないので、日本という国民国家は日本のなかにしか成立しない。
しかし、ドイチュは別の本で、国民を超えた安全保障共同体が成立しうる、と論じた。そのためには人々のWeフィーリングが必要だ、と言う。実際、現在のヨーロッパはこの感覚にもとづいて国際統合が進んでいる。戦前のクーデンホーフカレルギーがパンヨーロッパの旗をふっていたころ、ヨーロッパ統合論には胡散臭いものがあった。ソ連を敵視する反共主義だ。現在のEUはそれを人権や民主主義と言い換えている。
日本はどうか? アジア主義はGHQによって弾圧された。八紘一宇につながる日本人を支配民族とするアジア主義だったからだ。
少子化にあえぐ日本は行き詰っている。アジア主義が活路だとすれば、Weフィーリングを柱としなければならない。