「グローバルガバナンスの教科書」の記事一覧

核兵器の不拡散
広島と長崎に投下されたあと、終戦と同時に原子爆弾は使い道を失った。絶対兵器の後始末をどうするか? それが生まれたばかりの国際連合の初仕事になった。科学者たちは原子力の平和利用、特に発電、が自分たちの本来の使命であると考え始めた。原爆の後始末と原子力発電を統一して行う計画が原子力の…
核戦略
第二次世界大戦後、アメリカ合衆国は絶対兵器である原子爆弾の独占に安心し、ヨーロッパからの撤兵を進めた。ところが、東西の緊張が高まるやいなや、ソビエト連邦の戦車をはじめとした陸上戦力が脅威として映るようになった。1948年ごろ、実際には180万人しかいなかったソ連の兵力を250万人と西側は…
絶対兵器
ウランという名の金属がある。その同位体であるウラン235の原子核は分裂しやすく、分裂すると、熱エネルギーが発生する。これに伴い、中性子という粒子が放たれ、それが別の原子核にぶつかると、その原子核も分裂する。こうした核分裂の連鎖反応が制御されずに繰り返されれば核爆発になる。核爆発を軍…
軍縮・軍備管理
軍縮は英語のディスアーマメントが訳されたものである。普通はアームズリダクションのこととされ、そちらはより明確に軍備を削減することである。現実に軍縮と称されるものは必ずしも量的に兵器・兵員の縮小を伴うものばかりでない。軍縮の例として引かれる1922年のワシントン海軍軍備制限条約は保有…
実証主義、批判理論、ポストモダン
国際政治学とは、諸国民間における力と平和を求める闘争に関する研究である。モーゲンソー流に言うとこのようになる。その一方で、こうした定義はしばしば批判されてきた。なぜ、人々の幸福なり、ウェルビーイングなりを研究の対象としないのか? 確かに、21世紀になって高まった持続可能な開発目標(SD…
トランスナショナリズム
国家は一枚岩でない。最高指導者の命令一下、すべてが整然と動くイメージの国もある。しかし、個人の欲求は個人の選択と努力により満たされるのが基本でないか? 国家はまず個人から成り、さらに、中間団体と呼ばれるさまざまな非国家の集団が存在する。今日、それらは市民社会と総称されるか、個々に…
ゲーム理論
ゲーム理論におけるプレイヤーはエゴイスト、つまり、自分の利益をできるだけ大きくしようとする者、である。エゴイストが複数いて、それぞれ、どの選択肢をとるか、を考える。エゴイストは利益になれば協力し、ならなければ協力しない。今回のテーマは、国際政治における協力は得か損か、場合分けし…
ネットワーク
国際システムは国家を基本単位とするネットワークである。地球の中心は鉄とニッケルの塊で人は住めない。地表にへばりつくように生きる人間たちを分散型のネットワークで結びつけるのは合理的であるように感じられる。 今回のテーマは、国際関係に関する具体的な事例を選び、ノードやエッジといったグ…
覇権
覇権国は古代ギリシャのヘゲモンが語源で、他国を軍事的に支配する国のことである。それを好意的に解釈して、人々を導く指導国のことと理解することもある。今回のテーマは、「次の覇権国」について論じなさい、である。 大国の興亡は権力者たちのむなしい栄枯盛衰にすぎないと思われるかもしれない。…
国力
第二次世界大戦へと至る歴史は、国際政治の「現実」を直視させた。戦争で頼りになるのは力であり、力を競い合うのは国家である。そして、勝つのは強いほうの国家である。ならば、強い国家を作るか、強い国家と組むかしないと負けてしまう。多くの人が、これこそ現実、と考えた。 現実主義という言葉を…